部活2
2002年7月20日昨日の夕方、久しぶりに
サークルにいったのであるが、
いつもみんなやる気がなさそうなのであるが
今日だけはちがった。
目の色がぎらついている。
部屋に入ると、
たとえ先輩であろうと挨拶すらしない後輩たちが
いた。
もちろん俺もそれは承知している。
今日は先輩後輩など関係ない。
張り詰めた緊張感。みんな互いに顔を合わそうともしない。
「全員そろたようだな」会長が壇上に上りそう
つぶやいた。
これからいったい何がはじまろうというのか。
俺が所属するサークルは剣術、武術などの
総合サークルである。
いろいろな武道を学ぶ者たちの寄せ集めといったほうがよいだろう。
いわばただの
ゴロツキや、武術マニア共のれあつまりである。
いつもは流派の違いから統率がないわれらであるが、本日は違う。今日丑の日は毎年ある行事が開かれる。
その行事とは最強決定戦である。
その名のとおり誰が最強かを決めるのであるが、
ルールは流派によって異なるため、試合はスポーツチャンバラで行う。
スポーツチャンバラとは剣道とは違い、それぞれが
武器(あたっても安全なソフト剣)を持ち、先に
相手に当てたほうが勝ちという、いたってシンプルな
スポーツである。
そしてのこの試合で負けたものには
世にも恐ろしい罰ゲームが待っているのである。
その罰ゲームは負けたものが今度の飲み会で4位以上の部員の飲み代をおごるというものである。
これはかなり経済的に痛い。
うちの部には恐ろしい酒豪がいるし、
おまえはフードファイターか、というほど食うものも部員の中にいる。
そういうわけで絶対に負けられないのである。
試合は夕方4時ごろはじまった。
場所は学校の中庭広場である。土曜ということもあり、人通りは少ない。
第一回戦の相手は
二回生であった。彼は高校の時剣道をしていたらしい。腕前は初段である。通称つよぽん。かなりの
太極拳マニアでもある。
一方俺は剣術を一年ほどかじった程度であった。
しかし、このスポーツチャンバラは剣道とは勝手が違う。
はじめの合図とともに両者が構えをとった。
つよぽんは中段に剣を構え、すり足で間合いを計っている。
てつも中段に構え様子をうかがう。
両者がにらみ合い数分が経過した。
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